編曲裏話。 交響組曲-ラララ終末論。- について 【その3】



前回はこちら。

今回は、1曲目「しゅうまつがやってくる!」について。
なんかやたら長くなってしまった…。お暇なときにでもお付き合い下さい。

■1.しゅうまつがやってくる!
コード採るのがとにかく大変だった曲。オリジナルっぽいことをやらかしたオープニングがあまりにも時間がかかり、「ここさえ終われば…」とか思ってたらドツボにはまったという。
どうやらほとんどのコードで7とか9とかテンションがいっぱい鳴ってるみたいです。おかげで夜中の1時とか2時にパカパカと電子ピアノを叩く日々が1~2週間続きました…w 実際どこまで合ってるかわからないんですけど、割と原曲に近いところまでは行けたんじゃないでしょうか。

全体の編曲に関しては、構想を考え出した割と初期の段階から、頭の中ではこの形で鳴ってました。細かいところについては以下で。

○Aメロ前半
イングリッシュホルンのソロ。
一番最初の想定では、ここをソプラノに投げたかったんですよねえ。下のオクターブのちょっと開いた感じの音が欲しくて。ただ残念ながら音域が足りなかったので断念。アルトはイメージが違うので、じゃあオーボエかなーと思ったんですが、やはり音域が足りず。と、いうわけでイングリッシュホルンの出番となりました。…ニコオケでやってるとイングリッシュホルンがあるのが普通に感じてしまうから危険だ。 ただ、イングリッシュホルンでも最低音が出てきてしまったらしく、かなり難しかったそうです。ごめんね、L。

そうそう。ここのピチカートからアルコで進む感じとか、和音の進行とかがだいぶ原曲と違ってるんですが、これは本当にこのまんま頭の中で鳴っていたのを引っ張り出してきた感じです。ソロ終わりのバック部分は結構良い感じになったんじゃないかなあと思ってます。
で、この部分ってどういう引き出しを開けて持ってきたんだろうなあ…と、オフが終わったあとにぼーっと考えてたんですが。ひとつだけ思い当たるとしたら、吹奏楽曲の「イーストコーストの風景」の3曲目、「ニューヨーク」。共通項があるかといえば微妙なんですけど、ふっとアレを思い出しまして。まあイメージしているシーンは近いかもしれないですね。こっちでイメージしてるのも、世界の情景を写し終わって物語の最初の舞台であるリンの住む街にカメラが切り替わるシーンなわけで。さすがにニューヨークみたいな大都会ではないけど、まあ都市とその郊外にある住宅街みたいな所がイメージ。上空から白い家が立ち並ぶ住宅街を写していって、リンの家に降りてくるような、そんな感じかなあ。

○Aメロ後半
サックスアンサンブル。
構成を考えている段階で、アンサンブル冒頭のバリサクのフレーズが鳴り出しまして。じゃあ前半で使えなかったソプラノをオクターブ上げで使おうかなあ、というあたりからアンサンブルになりました。前半のイングリッシュホルンは街の風景を示すBGM的な感じ、後半のソプラノはリン自体のテーマっていうようなイメージだったのかな。
今回のアンサンブルはサックスだけが裸になっているのではなく、ホルンとヴァイオリンが裏で和音を作っています。最初は丸裸のアンサンブルにしようと思ったんですが、上述の通り和音にテンションが多いので、あの感じは4本じゃ表現しきれ無かったという所が大きいです。それと、あそこでアンサンブルだけにしちゃうと世界が広がらないですしねえ。やっぱりBメロ、サビに向けて広げていく感じで作らないとなあ、という事も考えてました。
譜面的な話をすると、バックに和音が鳴っていることもあって、俺の作るアンサンブルにしては休符が多めになってます。Aメロの前半もそうなんですが、今回はかなり音を減らす方向で意識して作っている箇所が多いかもしれないですね。その分厚くするところはとことん厚くしてますが。

Aメロの終わり方は完全なアレンジ。きちんとストップがかかってくれたので、結構効果的に鳴ってくれたんじゃないかと思ってます。

○Bメロ
当初の構想通り徐々に原曲に近づけて行こう…としたはずが、やっぱりちょっと静かめのアレンジになりましたね。Aメロほどゆったりではないですが、ここも原曲と比べると横の流れを重視したかたちになっています。最後の2小節までは指揮も倍で振っていますしね。

最後の盛り上がりは完全に想定通りというか、編曲したときの意図通り。ユーフォとかの裏メロもかなり効いてるでしょ?w アレンジをするときは大抵オリジナルで裏メロを入れるんですが、今回のは壮大な感じを出すところでイメージ通りにはまってくれたので結構嬉しかったりします。そうそう、本当はここで直管金管群がベルトーンをやってるんですが…あんまり目立たなかったですね。もうちょっと裏を薄くしてあげないとまずかったか。

そうそう。この曲から16bitにつなぐにあたって、しゅうまつがやってくる!の最後の調に転調させないとまずかったんです。ただ、最後のBメロと同じ展開(世界中にばらまいてしまおうか… Ah の部分)にするには唐突だしなあ…というところで結構悩みまして。最終的に、このベルトーンとかストップのところの和音でうまく解決をしております。違和感ないでしょ?

○サビ
ここはどちらかというと原曲よりで行きたいなと思っていたので、バッキングのリズムなども全部原曲を耳コピして作ってあります。正直チューバが辛かったと思う…大変申し訳なかった。
メロディをラッパと中音域の掛け合いにしているのは、体力的な配分の問題があったのと、「しゅうまつがやってくる!」のフレーズを印象的に出したかったから。受け渡しも結構うまく行ったので、いい感じに機能してくれたかなあと思ってます。

サビ2週目から入ってくる裏メロなんですが、これ初稿の段階ではフルートにしか無かったんです。そうしたら運営内部で聞かせた段階で、「グロッケンを足すべきだ!」の声が多数あがりまして…。最終的に、グロッケンとピアノ、それに1stヴァイオリンを足して今の形になりました。

余談なんですが、今回のオフは運営サイドに自分を入れて編曲者が4人おりまして…。神曲メドレー「二次元」をやったさくらそうさん、かえるの為のメドレーを書き下ろしためいぽーさん、そしてファルコムオフの響。
俺がアレンジのラフ音源をあげると、3人がこぞって口をだしてくれるので色々勉強になると同時にすごく安心感がありました。あと、3人がすごく今回のアレンジを気に入ってくれていたので、ああこれは大丈夫だな、と思ったというのもあります。(どうも3人とも予想外の音源が上がってきて相当びびったらしいですけどねw いままでKohMeiのアレンジっていうと吹奏楽寄り、簡単っていうイメージでしたし。実際自分でもなんでこんなのが書けてしまったのか今だにわからない。まさに降りてきたとしか言いようがないんですが…。)

○後奏
サビが終わって、後奏へ。
メロディからラッパを外して、「しゅうまつがやってくる!」のテーマはトーンダウンしてもらいます。ここで一番印象に残ったのは、やっぱりパーカッションではないかなあと思うんですが…あれが表現しているモノ、皆さんはわかりましたでしょうか。
原曲のPVを御覧になるとわかるとおり、曲の2番からは完全に戦争が始まります。リンの住んでいる待ちは戦火の真っ只中に置かれてしまうわけですよね。ここでは、戦火に巻かれる銃後の街⇒まさに戦闘の真っ只中の戦場(ぼくらの16bit戦争)のオーバーラップをさせたかったので、パーカッションを使って戦争の表現をしてみました。フロアタム+コンサートバスドラムが大砲、スリッパを叩いているのは銃撃戦の音です。
今回の企画を思いついた段階で、パーカス補編曲のめいぽーさんに「戦争を表現するにはどうすれば良いでしょうか?」というご相談をしておりまして。曰く、「まず大砲ならバスドラムが良いと思います。銃を表現するのであれば、ウィップなどを使うよりは、スリッパか紙鉄砲が良いと思いますよ。」との回答。個人的なイメージで、「銃」ではなく「銃撃戦」だったので、連射が効くスリッパを採用して頂きました。
また、大砲の表現については「確かにバスドラムだけでもいいんですが、街が戦火に巻かれているということは、当然大砲は『着弾』しますよね。だからフロアタムが必要なんです」と、めいぽーさん。つまり、フロアタムでドドン!って入っているのが発射音。バスドラムでゴーン!ってなるのが着弾音なわけです。バスドラの方が遠鳴りっぽいので、まさに目の前じゃなくてちょっと遠くで戦争が行われているという表現にもなるわけですね。いやー勉強になりました。

さて、16bitへのつなぎの部分。普通に締めて16bitのオープニングにつなぐんじゃ面白くないしなあ…などと色々考えて、頭の中で両方の曲を反復させていたわけですが…「しゅうまつのサビの最初4音の上昇系を繰り返すと、16bitのサビ前のフレーズに似てね?」という意味不明な電波が降りてきましてw そこから、後奏のメロディ部分を少しずつ拍子を変えていって16bitの~|’ω’~|テレレレとつなげてしまうという、あの力技のつなぎができたのでした。
拍子は4/4→3/4→5/8→4/4(3/8+3/8+2/8)。変拍子祭りの直前から変拍子をはさみ出すという鬼畜な所業でした…どうもすみません。ただこれはきちんと意図がありまして、4/4から順番に振っていくと、一拍がだんだん遅くなってritと合わせて16bitのテンポに帰着するようになっているんです。なので、5/8は3+2で振って、4/4は3+3+1+1で振っています。(動画見るとわかるかも。)この1+1の部分が次の 16bitのBメロで8分音符になる、という算段ですね。なるほど、わからんw

長いよ… >俺
そんなわけで、次回は「ぼくらの16bit戦争」について書きますね。
ではまたー。

次回はこちら。

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コメント

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